09:00 - 18:00
日曜・祝祭日
2020年11月14日
ブログ

賃貸物件におけるカビ発生の意外な盲点!入居者の皆さん、こんなことにご注意ください。|函館の不動産業者が解説します。

函館でも初雪を迎えたこれからのシーズン。夏場にも負けず劣らず、冬場もカビの発生が多い時期ですよ。乾燥している季節とはいえ、室内は暖房で快適な状態。加湿器を使用したり、寒くて換気が億劫になったり…。

退去の際に、痛い出費を極力抑えるためにも「湿気対策」は万全にしましょう。

誰でも知ってる、「カビやすいところ」はこんなところ。

カビ=湿気が原因ですから、当然水廻りは要注意です。

【お風呂】

入浴後の1時間は換気扇を回しておきたいところ。浴室扉・脱衣場扉は少しの間だけ閉めずにおいて換気を促しましょう。タイル目地やゴムパッキン部分は放置するとタチが悪いですよ。

【トイレ】

退去の際に一番カビが多く見られるのは、床と壁の間にある「巾木」という部分のカビです。

【脱衣場】

特にシャンドレ横や洗濯機裏が多いですね。空間的な余裕があれば、洗濯機と壁は少し離しておきたいところです。洗濯機も使用後は通気のため蓋を開けておきましょう。

 

また、結露もカビの直接的な原因になります。

【窓周り】

どうしても結露は起きてしまいます。ただ、放置することにより周辺のクロスの剥がれやカビの発生につながります。こまめに拭き取り、冬場こそお部屋の換気孔は開けましょう。もし熱交換型換気扇があるなら、電気代はごく安価ですからどんどん使ってほしいところです。

 

荷物や家財道具を動かした後に愕然とする、まさかこんなところにカビ発生。

退去に立ち会った時に、「盲点でした。模様替え(引っ越しの荷物出し)の時に気付きまして…」といったような、入居者さんの予想もしていなかった部分のカビ発生は、不動産の仕事に携わっているからこそ多く目にしています。

あまり気にすることのない、でも修繕負担発生の多い箇所、ベスト3はこちら。

1)下駄箱

とくに木製下駄箱については棚板部分や内部の板部分にカビが多く見られます。密閉されている部分というのは湿気もこもりやすいのです。靴用シリカゲルを入れておいたり、棚板の上に靴用のプラスチック・トレーを置いて棚板が濡れるのを防ぐなどの工夫を。

2)押入れ・クローゼット内

開けたときにヒンヤリした風を感じることがありませんか?気温差が生じているので、襖や折戸の裏側の湿り具合も要チェック。布団を大量に積んだり、ダンボールでぎっしりだったりして隙間がないと、さらにカビやすくなります。押入れ用の棚なども活用して空間を設けるようにしましょう。

3)ベッド横の壁

これが非常に多いです。暖房を消して就寝し、お部屋の気温は徐々に低下。そして寝具内が熱気と汗とで蒸れた状態になります。ベッドの場合は寄せている側の壁面、布団の場合は敷布団の下の床面が非常に湿りやすい場所になります。

事例紹介①|トイレの天井や便器に水滴とカビが...!?

弊社が管理する賃貸マンションに定期巡回で訪れたときのことです。

敷地の落ち葉清掃を実施し、空室の点検のため室内に入り、各室をチェックしたところ、トイレのみが湿度が高く天井や便器本体もびしょ濡れになっているではありませんか。

最初、天井の廻り縁が濡れていたので雨漏りの可能性を疑いましたが、もしかしたら便器の封水が蒸発した結露によるものかもしれないと思い、その日は一旦トイレ便器をビニールラップで密封して、翌日に再度調査することにしました。

翌日、あらためて件のトイレドアを開けてみたら、トイレ室内の結露水は蒸発していることを確認。原因は、やはり便器の封水が蒸発したことによるものでした。

 

 

<当事例の結露発生の原因>


①湿度を上げる要因(便器の封水)があった。

②トイレドアが閉まっていたため、トイレ内の気密性が高まってしまった。

③空室で入居者がいないため、空気の流通や換気が行なわれなかった。

④日当たりの良い部屋であったため、日中と夜の寒暖差が大きかった。

 

以上の要因が重なったことで、水蒸気となり便器や天井廻り縁に結露が発生し、それがもとでカビが繁殖したと考えられます。

幸いなことに早期発見できたこともあって、写真のような黒カビは市販のカビ取り剤(カビキラー)できれいに除去することができました。

トイレが外気に接する場所に配置されている場合は、換気口と通して空気の流通があるので、このような現象に発展することはないと思いますが、部屋に囲まれた場所にトイレがある場合で、特に空室のときは、大家さんや管理会社は月に一回は必ず室内を点検するなどの注意が必要だと感じました。

細かな対策の積み重ねで快適な環境づくりを

日頃から気をつけておく細かな対応策だけでも色々あります。

・用途や箇所に見合った除湿剤を使用

・加湿器を使う際は極力お部屋の中央あたりに配置する

・お部屋の換気扇は極力開けて換気しましょう。

・押入れは襖を少し開けて通気出来るようにしておく。クローゼットも定期的に換気。

・収納内は荷物で一杯にせず、棚などを利用して通気の空間を設けること。

・玄関付近は冷えやすくかつ湿気の多い場所。靴や土間を濡れっ放しにしないのが重要。

・濡れた場所はこまめに拭き取り。湿ってしまった場所はしっかり乾かしましょう。

・布団敷きっぱなしはNG、ベッドの場合も日中は寝具を壁から離しておきましょう。

・湿度計を設置して湿度管理してみましょう。

簡単な対策で思いつくだけでもこれだけあります。

とにかく「換気」「通気」が大事になってきます。

 

「飽和水蒸気量」を知ろう

まず「結露」が起きる要因を知っておかなくては室内の湿度管理やカビの予防もうまくできません。

空気のなかには水蒸気がありその割合が湿度になるわけですが、実は空気が含んでおける水蒸気量は気温によって異なるのです。これが「飽和水蒸気量」。

例えば、

室温が20℃の場合は、1立方メートル当たり17.3グラム

なのに対し、

室温が10℃の場合は、1立方メートル当たり9.4グラム

に減少します。

つまり、室温が下がれば下がるほど空気中に含んでいられる水蒸気量が減るということ。

10度の差で7.9グラムの水蒸気が室内で水に変わってしまうのです。

 

日常に置き換えると、室内温度を25℃に保っておくのと18℃のやや寒い状態にしていた場合では、18℃の方が結露が発生しやすくなるということ。

服を着込み暖房はエコ運転でお部屋が20℃以下の寒い状態、これでは結露を生じさせる原因を作ってしまっていることになります。

水蒸気の発生は、「炊事」「洗濯」「入浴」等、日常生活を送る上では避けられないもの。冷えた空間をつくらないことも重要なんですね。

 

この記事を書いた人
藤原 滋己 フジワラ シゲキ
藤原 滋己
函館ラ・サール卒。商船系データ通信会社から建築・不動産産業界へ転身。宅地建物取引士+二級建築施工管理技士。ハウスメーカー勤務時代に、木造住宅の工事監督のちに住宅・アパート・店舗・寺院など様々な建築物の営業を経験しました。建築不動産の営業歴は通算25年。 安心かつ安全な不動産取引のために、これまで培ってきた知識や経験・ノウハウを、お客様へのサービスのために全力で提供します。遠慮なく何でもご相談ください。きっとお役に立ちます。
arrow_upward